血糖値の上昇をおだやかに腸内環境をサポートする甘味料

「L-アラビノース」(エルアラビノース)
L-アラビノースをご存知でしょうか。糖質の一種でありながら小腸内で砂糖の分解をするスクラーゼと呼ばれる酵素の働きを抑える甘味料で、厚生労働省の特定保健用食品の有効成分としても認められています。ここではL-アラビノースの実力について少しだけご紹介します。

L-アラビノースを砂糖に添加して摂取した場合の体内イメージ

L-アラビノースは、トウモロコシやサツマイモなど、植物に含まれている五炭糖の単糖の一種で、砂糖の約50%の甘味を持っています。
通常、私たちの身体に摂取された砂糖は、小腸でスクラーゼと呼ばれる酵素に100%分解されてエネルギーとして蓄えられます。
このエネルギーは脳が機能するために使われますが、余剰分は脂肪の形で蓄積されます。
しかしL-アラビノースにはスクラーゼの働きを抑える作用があるため、摂取した砂糖の一部は小腸で分解・吸収されずに素通りして、そのまま大腸へ届きます。
大腸に届いた未消化の砂糖は大腸にいる微生物(常在菌)の栄養源となるため、微生物の働きが活発化。腸から健康を育むことも期待されています。

Lアラビノースの研究データ

当社が実施したL-アラビノースの研究データをご紹介します。

L-アラビノースの便通改善効果に関する臨床試験

本試験は健常な日本人成人男女のうち、週の排便回数が3~5回の者を対象に、L-アラビノースの摂取が便通に及ぼす影響を検証したものです。

【試験概要】
・目的:「被験食品(L-アラビノース)の摂取が健常者の便通に及ぼす影響」
・実施医療機関:医療法人社団盛心会タカラクリニック
・受託臨床試験機関:株式会社株式会社オルトメディコ
・試験方法:ランダム化プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験
・試験登録番号 : UMIN000052608
・実施例証数:44名
・実施期間:2023年10月~2024年4月

L-アラビノースを摂取した際の排便の変化

L-アラビノースを摂取したグループには、排便回数の増加が確認されました。
特に40歳以上の男女で有意差が認められました。

L-アラビノースを摂取した際の爽快感の変化

L-アラビノース群は、通常よりもすっきりとした排便が増え、残便感も減少しました。特に40歳以上の男女で有意差が認められました。

【試験結果】
被験食品群(L-アラビノース摂取群)とプラセボ群(見た目は薬と同じだが、薬効成分は入っていない薬を摂取した群)では、介入後の排便回数に有意差は確認されなかったものの、被験食品群(L-アラビノース摂取群)において高値を示す傾向や、爽快感の「残便感がある」および臭いの「少しきつくなった」が有意に低値、爽快感の「すっきり感がある」および臭いの「普段とかわらない」が有意に高値を示す期間が確認されました。
L-アラビノースの摂取は、より残便感のないすっきりとした排便を促し、排便時の臭いの低減に寄与したことが示唆されました。

また、解析対象者のうち同意取得時の年齢を因子としたサブグループ解析を実施した結果、40歳未満のサブグループにおいて群間有意差が確認された項目はありませんでした。一方、40歳以上のサブグループにおける被験食品群において、期間5における排便回数が有意に高値を示したことに加え、爽快感の「残便感がある」が有意に低値、爽快感の「すっきり感がある」および排便日数が有意に高値を示す期間が確認されました。

なお、本試験条件下において試験食品の摂取は安全でした。(試験報告書より抜粋)

L-アラビノースの血糖値上昇に係る臨床試験

L-アラビノースを砂糖に添加した際の時間経過による血糖値の上昇を比較

L-アラビノースを添加した砂糖の血糖値に対する影響

砂糖とL-アラビノースを一緒に摂った群と砂糖のみ摂った比較対照群では、15分後の血糖値上昇の幅に差が出ていることがわかります。(赤丸部分)L-アラビノース群の上昇は緩やかです。

血糖値濃度下面積ではL-アラビノース群が比較対照群に比べて40%抑制されていることが示されました。

管理栄養士たちばなかやの氏 推奨コメント

L-アラビノースは、トウモロコシやサツマイモなどの植物に含まれる天然由来の糖で、砂糖の約半分の甘さを持ちます。
最大の特徴は、小腸での砂糖の分解を抑える作用があることです。
通常、砂糖はスクラーゼ(分解酵素)によって100%分解・吸収されますが、L-アラビノースを一緒に摂取すると、その約40%が吸収されずにそのまま大腸へ届きます。
この働きにより、血糖値の急上昇を抑え、インスリンの分泌を穏やかにすると考えられているのです。
また、L-アラビノースは腸内細菌によって発酵され、短鎖脂肪酸を生成します。
短鎖脂肪酸は腸の働きを活発にしてスムーズなお通じをサポートすることで知られる成分です。
さらに、水に溶けやすい水溶性食物繊維としても働くL-アラビノースは、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えるのに役立つほか、カルシウムの吸収を促進する作用も報告されています。
近年はカロリーゼロの甘味料として、ダイエットや生活習慣病の予防に注目されています。
厚生労働省により特定保健用食品の関与成分として認められているため、甘さを楽しみながら安全に健康・美容を意識したい方におすすめの成分です。

~管理栄養士たちばなかやの~
病院・保育園にて経験を積んだ後に独立。大豆・プラントベース食品の知識に特化した管理栄養士として現在はコラム執筆、レシピ開発、商品監修、セミナー講演の他、自身でケータリング弁当屋を主催するなど食を通じた多様性のある社会づくりを目指して幅広く活動している。

L-アラビノース利用の新美シリーズQ&A

どんな人が食べたらいいですか

血糖値を気にしている方、
甘いものを我慢したくない方、毎朝スルッと爽快に感じたい方にもおすすめします。食品ですので、食後の血糖値の上昇を気にする方はどなたでもお召し上がりいただけますが、
ご不安な方はかかりつけの医師もしくは薬剤師にご相談ください。

いつ食べたらいいですか?

お食事の前に水またはぬるま湯でお召し上がりください。

どうやって使うのでしょうか?

お料理にお砂糖の代わりとしてお使いいただけます。また、コーヒーに入れたりヨーグルトに混ぜても食べやすいです。

新美シロップは、そのままスイーツや飲み物にかけてお召し上がり下さい。

たくさん食べればより血糖値の上昇を抑えられますか?

今までの研究結果では、砂糖に対して3~5% のL-アラビノースを併食することで砂糖の吸収を抑制することが明らかになっています。なお、それ以上L-アラビノースを食べても効果は変わらないと報告されています。

他の薬やサプリメントとの併用はできますか?

今まで他の機能性関与成分との相互作用について報告はありません。ご不安な方はかかりつけの医師もしくは薬剤師にご相談の上、お召し上がりください。

砂糖以外の糖類にも効果はありますか?

現在までの研究成果では、 L-アラビノースは砂糖の加水分解酵素であるスクラーゼのみを阻害することによって砂糖の消化吸収を抑え、 食後の血糖値の上昇を穏やかにすることが確認されています。よって、以外の糖質には作用しません。